伊那市は、農作物などに被害を与えるクマなどの野生動物との共生を図るため、来年度から北海道犬を活用したプロジェクトを本格的に始める。クマなどを山奥に追い払う犬の訓練事業費約600万円の補正予算案を、開会中の9月市議会に上程した。同市によると北海道犬の導入は県内初で、全国的にも珍しいという。 北海道犬は敏しょう性に優れ、勇猛で警戒心も強く、クマの猟にも使われる。
 プロジェクトは同市内在住で、動物行動学などを専門とする元北海道大助教授の鈴木延夫さんに委託。生後40日ほどの子犬を北海道犬協会(札幌市)などから購入し、約半年間かけて遠くの音に反応するなど追い払いに必要な能力を磨く訓練を行う。また同時に公募した市民を、犬の訓練者として育成する。
 今年7月から8月にかけて、小坂樫男市長宅の北海道犬など3匹を訓練したところ、野生の猿を山に追い払うなどの成果が見られた。
 予算の内訳は▽子犬10匹の購入費90万円▽犬舎の整備費100万円▽犬の訓練費300万円▽専任訓練者の育成費など110万円。
 今秋には順次犬を購入して訓練を始め、来春の実用化を目指す。犬の繁殖も行い、3年後には訓練を受けた犬を集落などに譲り、集落ごとで野生動物の追い払いができる体制を整備する方針。
 小坂市長は「食害をもたらす動物は『お仕置き放獣』ではあまり効果がないので、共生の方法として、犬の活躍に期待したい」と話した。
 県森林整備課によると、犬を使った有害鳥獣対策としては、猿に対応する「モンキードッグ」が大町市など7市町村で、クマ対策用の「ベアドッグ」が軽井沢町で導入されている。
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