ペット人気が続いているが、野良猫の数も増えている。

 横浜市では、「横浜方式」と言われる「猫引取り制度」を採っている。市に野良猫を連れて行くと、市から殺処分を委託されている動物病院を紹介され、その病院で処分する方式だ。

 1匹約1万円で子猫の殺処分を横浜市獣医師会に委託し、行政自体は殺傷処分を行っていない。ガス室による苦しめる殺し方ではなく、麻酔薬などの注射による安楽死処分を依頼している。

 対策が遅れている地方自治体に比べれば、まだましという程度で、それほど先進的なわけではない。結局のところ、猫を産ませては、殺して減らすという、前時代的・非人道的な考え方であることには変わりないからだ。

 しかし、問題はそれだけではない。
 横浜市は、委託した動物病院に対する監査を全く行わず、処分した頭数を正確に把握すらしていなかったことがわかったのだ。

 横浜市では、年間3000万円ほどの税金を、横浜市獣医師会にノーチェックで支払っているという。そして、担当となっている獣医師からの書面での報告について、監査は全く行っていない。

 市も、横浜市獣医師会も、処分を行っている病院を、その病院に対してイメージダウンが起こるということから公開していない。つまり、全く実態が把握されないまま税金が投入されていることになる。

 有志の報告によると、処分費を収入として考える獣医師もいることが判明している。

 横浜市旭区の動物愛護を声高に掲げている病院も、猫取引制度に協力している。その病院の現状をチェックしたところ、猫取引制度の規定である3日間の保護は守られず、引取りを行った時点で、すぐに殺処分を行っていた。

 獣医師と供託関係にあるような横浜の地域猫ボランティア団体は、獣医師との関係を守るため、この制度を反対する意見に対し、妨害するようなことも行っているらしい。

 また、横浜市の「横浜方式」は動物愛護に反している、として、野良猫を捕獲、自費で避妊手術を行い、猫を飼いたいと希望している人たちに猫を世話する「里親会」を行っているボランティア団体もいくつかある。

 組織的に、公園にいる野良猫などを捕獲して、動物病院に持ち込み、処分してもらうような団体もいる可能性がある。

 特定の所に対して利益を与えるような、制度に問題がある。このような、状況がそのまま見過ごされてよいはずはない。横浜市に、この制度に対する意見をどんどんぶつけていかなければならないだろう。

(記者:橘 清)
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